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2011年2月17日 (木)

残り物に文化あり

 フランス人の知人らとレストランで食事をした時のこと。 運ばれてきたハンバーガーやサラダの量の多さに、彼女たちは圧倒された様子。 食べ残しを包んでもらって持ち帰ることを、犬のエサ用に持って帰るという語源から米国ではドギーバッグと呼ぶ。 そのことを説明すると、「フランスでは本当に犬を飼っていたとしても絶対持って帰らない」と言う。 マナー違反だそうだ。

 イタリア人の友人にも聞いてみたが、「そんな文化はイタリアにはない」と一蹴。 食中毒が心配だし、「そもそも、残りものを温め直してもおいしくない」と言う。

 米国ではレストランの種類にもよるが、おいしかったという気持ちを店側に示すためにも、残すより持ち帰る方が感じが良いと聞く。 知人の米国人記者はしばしば、前夜の外食の残りを昼食にしているという。 経済的でもある。

 マナーや味にこだわる欧州と、飾らず合理的な米国。 どちらの考えにも一理ある。 食習慣のわずかな考え方の違いに見えるが、実は文化や生き方の価値観につながっているのではー。 そんなことを考えながら、今日もまた食べきれなかったピザを前にどうしようか悩んでしまう。     (丹内敦子)

(H23・2・17 朝日新聞<朝刊>「特派員メモー◆ニューヨーク」所載)

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