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2007年2月25日 (日)

極道めし

新刊食書のご紹介

「極道めし」(土山しげる著・大西祥平協力、双葉社、第1巻刊行、定価630円)

 3週間前にササキバラ・ゴウ氏が紹介した『極道の食卓』と似たタイトルだが、中身は別物。 学生ながらホストクラブを何軒も経営する男が、暴行・傷害、監禁の容疑で逮捕される。 贅沢三昧の食生活から一転、刑務所の粗食メニューに耐える身となった彼だが、周りの服役囚たちも寄ると触ると食べ物の話ばかり。 単調な刑務所生活では、食べることだけが楽しみで・・・・・・という導入部は、花輪和一『刑務所の中』の二番煎じかと思われた。

 ところが、そこから先にユニークな仕掛けあり。 皆が楽しみにしている正月のおせち料理を賭けて<旨いモン話>で勝負する。 各自が今までで一番うまかった食べ物の話をし、より多くの喉を鳴らせたものが勝ちという熾烈な”話芸バトル”が繰り広げられるのだ。

 少年院から脱走中に馴染みの店で食べたどて焼き、借金返済のため遠洋漁船に乗せられる前に食べたカツ丼、会社員時代に出張帰りの駅で食べた立ち食いのかきあげそば。 

 回想シーンを交えて描かれる彼らの<旨いモン話>は巧妙で読んでいるこっちも思わず生唾をのみ込んでしまう。

 グルメマンガは数あれど、この趣向は斬新だ。 誰も食べたことのないような料理の話をしてもダメ、というところがミソ。 話が終わった後に、その料理の話題でひとしきり盛り上がるのがまた食欲をそそり、ますます食べたくなってくる。 空腹時に読むのは避けたほうが賢明だ。<南 信長:コミックガイド>

(H19・2・25 朝日新聞<朝刊>所載)

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